美魔女のつぶやき

阿蘇で暮らす自称美魔女の随想

百人百様の幸せ

以下は篠田桃紅著『103歳になってわかったこと』(幻冬舎)からの引用です。

 

私も長く生きてきて、いろんな人に出会い、いろんな人の人生を見たり聞いたりしてきましたが、どういう人の人生がいちばん幸福だったのか、いくら考えてもわかりません。たとえば、あの人は素敵な人だったと思うけども、その人の妻はどうだったのかというと、苦労させられたのかもしれないと思いますし、この人は立派で尊敬できる人だったけれども、その子どもはどうだったのかというと、親と比較されて悩んでいたし、いいことずくめの人は見つかりません。一つ得れば、一つ失うことは覚悟しなさい、ということでしょうか。なにもかもが満足な人生はありえないようです。

一方で、豊になれば人は幸せになれると、人類共通して思ってきましたが、それもまた違ったようです。私もずいぶん裕福な人を見てきましたが、裕福だから幸福だとは思えませんでした。かといって、極度な貧乏もまた不幸です。

それなら、一体どうーしたら、人にとって一番幸福なのかを考えると、わけがわからなくなります。どのように生きたら幸福なのか、「黄金の法則」はないのでしょうか。

自分の心が決める以外に、方法はないと思います。この程度で私はちょうどいい、と自分の心が思えることが一番いいと思います。ちょうどいいと思える程度は、百人いたら百人違います。