牛さん:お前さんだね、牛語のわかる人間とやらは。
私:どうしてご存知なんですか?
牛さん:遠くの仲間から聞いていたよ。で、今日は何しに、こんな中腹まで上がって来たんだい?
私:今日は「山の日」なんです。それで、山の神様に感謝の気持ちを伝えるべく、お神酒も待って上がって来ました。
牛さん:そうかい。それは、神様も喜んでくださることだろうよ。
私:牛さんも今日は高い所まで上がって来られましたね。どうしてなんですか?
牛さん:たまには、上からの景色も見てみたいと思ったからだよ。
私:そうでしたか。牛さんも、綺麗な景色がお好きなんですね。
牛さん:そりゃそうさ。牛舎の中に、いつも閉じ込められているのは嫌だ。自由に自然の中を動き回りたい。幸い、うちの飼い主は広い牧草地を持っておられて、ほとんど自由にさせてくれる。
私:耳の痛い話ですが、良い飼い主さんで良かったですね。
牛さん:今日は牛語のわかるお前さんと話せて楽しかったよ。
私:こちらこそ。楽しかったです。
牛:また、気軽に遊びにおいで。